気がつけばもう23時。
僕は毛布の中。
眠ることと死ぬ事に境界線はないような気がする就寝前。
柔らかな桃色の夕暮れ。
西に傾いた夕日が街路樹の影を東側に伸ばしてゆく。
ある影は細く。ある影は程々の太さで。
影はお互いに折り合いをつけながら干渉せず道路を横切った。
まるでシマウマの背中のようだ。
車を北に走らせる。
夕日と影を交互に踏みながら、想像の中で浮いたり沈んだりしてみる。
僕は1月のスイマー。
穏やかな昼下がり柔らかな木漏れ日。
とある公園の駐車場に僕はいた。
木漏れ日…とは言っても落葉した木々は太陽の光を完全に受け止めきれていない。
アスファルトに投影された影は魚の骨の様だ。
読書ができる程よい明るさと暖かさに感謝した。
冷めかけたコーヒーを飲んで本を読む。
時々取り止めのない事が浮かんで消える。
吐く息も窓も車のフロントガラスも白い朝。
透き通るような冷たさは嫌いじゃない。
闇夜に磨かれた清涼な空気を吸込んだ。
眠る細胞に時の流れが染み渡り僕の人生がまた再生する。